強制執行とは
強制執行
強制執行とは支払いまたは返済義務のある人が、支払いや返済を約束通りに行わない場合に裁判所の権力によって、強制的に対象者(債務者)の財産を差し押さえ(財産の処分を禁止する事)支払いを実行させる制度のことです。
民事執行法1条は、強制執行、担保権の実行としての競売、及び、民法、商法その他の法律の規定による換価のための競売、並びに、債務者の財産の開示について4つの手続について定めています。
1) 民事執行法22条 – 強制執行
2) 民事執行法180条 – 担保権の実行としての競売
3) 民事執行法195条 – 民法商法その他の法律の規定による換価のための競売
4) 民事執行法196条 – 財産開示手続
強制執行は、金銭の支払を目的とするものと、金銭の支払を目的としないもの、に分けられます。
強制執行を行うには以下の要件が必要になります:
a) 債務名義(権利の存在を公的に証明する文書)
慰謝料や養育費などの金銭の支払いの約束を公的に証明する文書です。
確定判決・仮執行宣言付判決・和解調書・調停調書・公正証書などがこれにあたります。 公正証書については、請求内容が金銭・代替物・有価証券で執行任諾 条項の記述がある必要があります。
b) 執行文の付与
実際に強制執行を行うために執行文(強制執行を行う事が出来る旨を記載した文書)が必要になります。 判決と和解調書の場合には、裁判所の書記官より執行文を付与してもらいます。 公正証書の場合は作成した公証人役場の公証人に執行文を作成してもらいます。 調停調書と和解調書の場合には執行文は必要ありません。
c) 送達証明書
強制執行を執行する前に、執行する対象者に債務名義(上記の1 に挙げた書類)を送達(強制執行を行う旨の通知)する必要があります。 公正証書以外はそれぞれの文書を発行した裁判所、公正証書の場合は公証人役場にて送達を申請します。 ”確かに書類を郵送した” 事を証明する送達証明書を発行してもらいます。 (注)動産に強制執行をかけるときだけ事前の送達と送達証明書が不要になります。
差押えできるもの
差押さえできる対象になるのは、給料や預金などの債権や現金や車などの動産、家や土地などの不動産などがあります。
現金化しなければならないものは裁判所により競売にかけられます。
不動産などは競売が終わり現金が支払われるまでに1~2年程度かかる場合もあります。
預金を差し押さえる場合には銀行名と支店名が判明している必要があります。
給料 や退職金などを差し押さえる場合には勤務先が判明している事が必要です。 給料を差し押さえられる額は、手取額が33万円以内の場合は1/4(養育費の場合は1/2)、33万円を超える場合には33万円を超えた全額を差し押さえる事ができます。
お金の無い方に強制執行を強行しても何もとれませんので、強制執行は相手を選びましょう。
